iPhone水没時に乾燥剤は使うべきじゃない?本当に必要な応急処置
水中に落としたり、飲み物をこぼしてしまったり……iPhoneを水没させてしまいお困りでしょうか。iPhoneが水没した際は、正しく対処しないと復旧は困難になってしまいます。
ネット上には、さまざまな種類の「iPhone水没時の対処法」が存在しています。そのなかで、「iPhoneの水没時は乾燥剤を使うと効果的」という趣旨の話を目にしたことはないでしょうか。
一見、水没に対して乾燥剤の使用は有用に見えますがちょっと待ってください。もしかしたら、iPhone水没時に乾燥剤を使うと、逆にiPhoneの故障を引き起こしてしまうおそれがあるのです。
この記事では、iPhoneを水没時に乾燥剤を使う対処法の真相についてお話しします。iPhoneを水没させてしまい、乾燥剤を使おうかと検討している方は一読してみてください。
目次
1.iPhone水没時に乾燥剤は使わないほうがいい?
ネット上では、iPhone水没時の対処法の一環に、乾燥剤や米などと一緒に保管して水分を乾燥させる方法が提示されています。実際に、水分を乾燥させるという意味では、乾燥剤や米などの対処法は有効的なのかもしれません。
その一方で、iPhoneの水没時に乾燥剤を使うのはNGという話もあります。衣類や布類であれば、濡れたらとりあえず乾燥させればいいかもしれません。しかし、iPhoneが濡れたとなるとそうもいかないのです。水没したiPhoneを急激に乾燥させて、内部の水分を蒸発させてしまうと、内部の金属部品が錆びてしまうおそれがあるのです。
ネット上の経験談などでは、乾燥剤や米で水没したiPhoneをしっかり乾燥させたら問題なく使えるようになったというケースが散見します。たしかに、水分をしっかり乾燥させれば水没したiPhoneを再び使えるようになる可能性はあります。
しかし、その後内部の金属部品の錆びが原因でiPhoneが使えなくなってしまうリスクがあるのです。そのため、iPhone水没時にとりあえず乾燥剤を使ってみるという選択はあまりおすすめできません。乾燥させるにしても、自然乾燥でとどめておきましょう。
2.iPhoneが水没したらとりあえず電源オフ!
iPhone水没時に乾燥剤を使う対処法は、iPhone内部の部品を錆びさせてしまう危険性があります。では、iPhoneを水没させてしまったら、どのように対処するのが正しいのでしょうか。
iPhoneが水没したら、最初にやらなければならないことは電源を切ることです。電源がついたままだと内部の部品がショートして、最悪データが消えたり、復旧ができなくなったりするおそれがあります。
次に、iPhone本体についた水分を柔らかい布などで拭き取りましょう。イヤホンジャックやライトニングコネクタ、スピーカー、マイクなどのくぼみ部分は、濡れているのを見落としやすいため注意して拭き取ってださい。そして、SIMトレーを開けて、SIMカードが濡れていないかも確認しましょう。
このときに、iPhoneの水分を飛ばすために本体を振ったり、ドライヤーで表面を乾かそうとするのは厳禁です。水没したiPhoneを振ると、余計に水没範囲が広がりかねません。また、iPhoneは高温に弱いため、ドライヤーの温風で故障するおそれがあります。
3.応急処置が済んだらすみやかに修理店へ
応急処置が済んだら、なるべく早くiPhoneを修理店に持ち込みましょう。水没からあまり時間を置きすぎると、iPhone内部の水分が蒸発して部品が錆びかねません。
また、すでにiPhone水没時に乾燥剤を使う対処法をおこなってしまった場合も、一刻も早く修理店にいくことをおすすめします。たとえiPhoneが使えるようになったとしても内部の金属部品が錆びて復旧が困難になるおそれがあるからです。iPhoneの修理店には、正規修理店と非正規修理店の2種類があります。
正規修理店とは、Apple Storeや正規サービスプロバイダのことです。Apple CareやApple Care+が利用でき、お得な料金でiPhoneを修理してもらえるのがメリットです。修理の際には、予約が必要なため、Appleサポートのホームページから予約をいれましょう。
非正規修理店では、Appleの保証サービスに加入していなかったとしても、お得にiPhoneを修理してもらえます。また、予約不要で即日修理の店舗も多いため、修理のための時間を取りにくいという方にもおすすめです。
4.修理時はデータが消えるかも……バックアップの確認方法
iPhoneを修理する場合はデータが消えることもあるため、バックアップをしっかり取れているか確認しましょう。バックアップの確認方法は、バックアップ方法やパソコンのOSによって異なります。確認方法は次のとおりです。
iTunesバックアップ
・Macの場合
メニューバーの虫メガネアイコンで「~/Library/Application Support/MobileSync/Backup/」と検索してファイルを開く
・Windowsの場合
「\ユーザー\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Apple Computer\MobileSync\Backup\」をファイル名指定して実行する
iCloudバックアップ
PC用iCloudの「管理(保存容量)」を選択後「バックアップ」を選択する
・バックアップがないならデータ復旧も検討
iPhoneのバックアップがない場合と、データがすべて消えてしまいます。もし、バックアップを取っていないが、データがなくなるのは困るという場合は、データ復旧サービスを利用するのも1つの手です。
データ復旧サービスとは、大手携帯キャリアや一部の非正規iPhone修理店でおこなっているサービスです。水没や故障で電源が入らなくなったiPhoneのデータ復旧をおこなえる可能性があります。
データ復旧サービスは、料金体系がそれぞれ異なります。成功報酬制の場合もあれば、失敗時でも作業料金がかかるケース、データ復旧料金と作業料金両方ともかかるパターンなどさまざまです。トラブルを避けるためにも、データ復旧の料金についてよく確認を取っておきましょう。
また、このときにiPhone水没時に乾燥剤を使う対象法をおこなっていると、内部部品の錆びなどからデータを復旧は困難になるおそれがあるため、この対処法はあまりおすすめできません。
5.まとめ
iPhone水没時に乾燥剤を使う対処法は、水没時の対処法としては有名です。しかし、乾燥剤などによる急激な乾燥は、iPhone内部の金属部品を錆びさせかねません。
金属部品が錆びてしまうと、いざiPhoneを修理するときに不都合がでるおそれがあります。場合によっては、データが消えてしまったり、電源が入らなくなったりするリスクがあるのです。そのため、この対処法はあまりおすすめできません。
iPhoneを修理に出す際は、必ずバックアップが取れているかどうかを確認しましょう。データのバックアップがない場合は、データ復旧サービスの利用を検討してみてください。