突然スマホ画面にウイルス感染警告の表示が!慌てず適切に対処しよう
みなさんは、スマホを使っているときに突然、ウイルスが検知されたという趣旨の警告文が出てきたという経験はありませんか?いきなりこんな表示が出てきたら、自分のスマートフォンが知らないあいだにウイルスの感染してしまったのではないかと、不安になってしまいますよね。
そのような表示には多くの場合、対策アプリをダウンロードをうながす文面も一緒に書かれていることが多く、検出されたウイルスを削除するためについクリックしてしまいそうになるかもしれません。しかし、実はこの表示は広告で、本当にウイルスが検出されたわけではないのです。
今回のコラムでは、そんなスマホのウイルス警告文とはいったいどんなものなのか、目的や危険性はあるのかなどについてまとめてみました。気になっていた方はもちろん、「こんな警告文があるなんて知らなかった!」という方も、ぜひ最後まで読んでみてください。
ウイルス感染の警告の正体とは
近年、スマホでのウイルス警告文は急増しています。では、いったいこの警告文の正体は何なのでしょうか?
・正体は「広告」
この警告文が表示されると焦ってしまうかもしれませんが、実はこの警告文は「アフィリエイト広告」の1種であることがほとんどです。これはウイルス警告文ではなく「フェイクアラート」と呼ばれるもので、表示されたからといってウイルスの感染やデータの破損を心配する必要はありません。
「フェイクアラート」とは、文字通り偽物の広告という意味です。この広告の目的は、偽の警告文を表示して不安感をあおり、特定のアプリをインストールするよう誘導することです。そして、そのアプリをインストールしてもらうことにより、発生する利益(広告報酬)を得られるという仕組みになっています。
・インストールするのは危険!
この広告は、ただ表示されただけでは特に問題はなく、何もしなければ危険性もありません。しかし、広告内に表示されているアプリをインストールしてしまうのは危険です。ダウンロードしたアプリにウイルスが仕込まれていたり、不正に個人情報を抜き取るものであるおそれがあります。
ウイルス感染警告が表示されたらどうすればいい?
突然スマホのウイルス感染の警告が表示された場合、どうしても不安になり、すぐに解決したいと考えがちです。しかしこの警告文は広告であることがほとんどですので、適切に対処すれば問題ありません。では、フェイクアラートが表示されてしまった場合、どう対処するべきなのでしょうか。
・インストールしない
警告文は、不安感をあおるためにスマホ内にウイルスがいると嘘の文を表示し、おどしているだけです。自分が使用しているスマホの機種名を記載して、この警告文を信じやすくするためのカモフラージュがおこなわれていることもあります。
そのため、警告文の内容が本物だと思って信用してしまうかもしれません。しかし、アプリをインストールしてしまうということがないように注意しましょう。警告をとじ、表示されているページから離れるのが最善の対処方法です。
そこでアプリをインストールしてしまうと、スマホ内にウイルスが侵入してしまいさまざまな不具合を引き起こしたり、個人情報を抜き取られてしまう危険性があります。絶対にインストールをしないように注意しましょう。
・誤ってアプリをインストールしてしまった場合
万が一誤って警告文に掲載されているアプリをインストールしてしまった場合は、そのアプリをすみやかにアンインストールしてください。また、Apple StoreやGoogle Playなどの、正式なマーケット以外からアプリをダウンロードしないよう、普段から気をつけておくことが大切です。
それでもウイルス感染していないか不安という方は、信用度の高いウイルス対策アプリを使いましょう。インストールしてしまったアプリの削除後、スキャンをかけて確認することをおすすめします。
警告が偽物か本物かを判断する基準
フェイクアラートは広告なので、無視してしまうことが1番安全な対処法といえます。しかしその一方で、本当にウイルス感染した場合に表示されるものも存在するため、表示されるすべての警告文を無視してしまうわけにはいきません。
もしかしたら本物かもしれないと考えると、余計に判断が難しくなってしまいます。では、その警告文が偽物なのか、本物なのかはどうやって判断すればよいのでしょうか。
・ブラウザ表示のみであれば「偽物」
警告文が表示されたとき、その警告を発しているのがスマホ内に入れているセキュリティソフトではなく、ブラウザで表示されているだけならば、それは高確率で偽の警告文です。基本的にブラウザは、ウイルスを感知しスマホ内のウイルスの警告を出すことはないので、セキュリティソフト経由の警告でない場合は、フェイクアラートだと疑ったほうがよいでしょう。
また、セキュリティソフトが発するウイルス警告の場合、アプリ製作者の責任問題にもなるため、情報の伝達ミスがないように日本語文などはしっかりしているケースが多いですし、過剰にウイルスの存在をあおってユーザーを不安にさせるようなこともありません。一方、フェイクアラートの場合、日本語にどこか不自然な部分があったり、過剰に不安をあおるような文がありますので、これも判断材料の1つになります。
・削除を求める表示は本物の可能性
表示された警告文に、アプリの削除をうながす内容があれば、本物の警告である可能性が高いです。また、もともとスマホ内にダウンロードしているウイルス対策用アプリからの通知があった場合も、信用性が高いといえます。
フェイクアラートか本物の警告であるかの判断は、ブラウザ表示かどうかや、警告文に削除を求める内容があるかどうかを確認することが重要です。
ウイルス感染の警告への対策方法
いざウイルス警告が表示されてしまっても、慌てることがないよう普段から対策しておくことが重要です。ここでは、スマホのウイルス警告文への対策方法についてまとめてみました。
【広告の文を信用しない、無視する】
フェイクアラート内で掲示されているアプリをダウンロードしてしまったり、URLを開いてしまったりすると、それが原因でウイルスに感染してしまう可能性もあります。そのため、警告文内のアプリなどの存在は無視し、仮にウイルス対策アプリをインストールする場合も、正規のアプリマーケット以外からダウンロードをしないようにしましょう。
【あらかじめウイルス対策アプリをインストールしておく】
普段から警告文が本物か偽物かで迷わないためにも、信用度の高いウイルス対策用アプリをダウンロードしておくことをおすすめします。正規のウイルス対策アプリがあれば、もしスマホ内のウイルスを警告する文章が表示されても、まず対策アプリを開いて確認をとることができます。
【何度も表示される場合はブラウザ内のCookieを削除】
何度も何度も警告文が表示される場合は、ブラウザ内のCookieを削除してみるという方法もあります。広告は基本的に、そのスマホユーザーの検索履歴等から適した広告を表示するようになっているため、フェイクアラートが表示されるのも、いままでの検索結果や履歴が影響している場合があります。Cookieの削除をすれば、それらを1回リセットするため、有効となる場合があります。
まとめ
突然、スマホ内のウイルスの警告が出ると誰でも不安になってしまいます。「もしかしたら感染しているかも……」「データが破損するのは困る!」と焦ってしまいますが、そのような心のすきまにつけ込むのがフェイクアラートの手口です。もし表示された警告文が少しでも怪しいなと思ったら、無視してしまうのが最善の方法です。
また、フェイクアラートに惑わされないためにも、スマホ内にウイルス対策アプリをインストールしておくことをおすすめします。ウイルス対策アプリは有料のものもありますが、なかには無料で使用できるものもあります。大切なデータや個人情報を守るためにも、普段から備えておきましょう。