水没したiPhoneは復活できるの?緊急対処・NG行動と修理方法をプロに聞いた
大切なiPhoneをうっかり水没させてしまった。
焦る気持ちは分かりますが、まずは落ち着いて下さい。冷静に対処すれば、水没したiPhoneが復活する可能性はあります。
この記事では、街の修理店に教えてもらった「iPhoneが水没した時の緊急対処・修理方法とやってはいけない行動」をお伝えします。
水没したiPhoneを復活させたい方は是非参考にして下さい。
目次
iPhoneが水没した時の緊急対処法
水没したiPhoneを放置するとどんどん故障箇所が増えるので、今すぐ対処しましょう。iPhoneが水没した時の緊急対処法は、以下の2つです。
- ①iPhone本体の表面の水分を拭き取る
- ②電源を切る
緊急対処法①iPhone本体の表面の水分を拭き取る
真っ先にするのは水没したiPhone本体の表面の水分を拭き取ることです。iPhoneとケースの間にも水分が入り込んでいるので、一旦ケースやイヤホンを外しましょう。
緊急対処法②電源を切る
水没した後にiPhoneの電源が点いていた場合、基盤がショートする恐れがあるので一旦電源を切りましょう。「電源が点いているうちにバックアップを取ろう」と思われるかもしれませんが、内部に水分が残っているうちはショートの危険性があるので、iPhoneの電源を早めに切った方が良いです。
なお、水没した後に電源が切れているiPhoneは、既に基盤がショートしていることが多いようです。基盤がショートしている場合、自分で復活させることはできないので、修理店を利用するか機種変更をする必要があります。
iPhoneが水没した時のNG行動
逆に、水没したiPhoneにやってはいけないNG行動があります。それは以下の3つです。
- ①振る
- ②充電をする
- ③ドライヤーや電子レンジで温める
どれか1つでもやってしまうとiPhoneが壊れてしまう危険性が高まるので、注意して下さい。
NG①振る
「iPhoneを振って、中の水を外に出そう」と考えるかもしれませんが逆効果です。iPhoneを振ってしまうと水が内部にまで入り込んで、濡れていない箇所まで濡れてしまいます。特に、iPhoneが水没した直後に本体を振ってしまうと液晶に水が入り液晶にシミができることがあるようです。
NG②充電をする
水没した状態で、iPhoneを充電すると内部の水分によって中のパーツがショートする危険性があるため、充電するのは控えましょう。
NG③ドライヤーや電子レンジで温める
「水に濡れたんだから、iPhoneを温めて乾かせばいいんじゃないの?」と考えて、iPhoneをドライヤーや電子レンジで温めるのは禁物です。ネット上にもこのような情報が見受けられますが、熱で中の基盤が壊れてしまいます。
水没したiPhoneの3つの修理方法
緊急対処法を行った後は、以下の3つの修理方法から対処法を選びましょう。
- 自分で乾燥させる
- 正規店で修理する
- 街の修理屋さんで修理する
選択肢によって、「費用」と「水没の後遺症のリスク」と「本体のデータが残るか?」の3つが変わります。それぞれの違いについては以下の比較表の通りです。「水没の後遺症」とは水没したiPhoneが復活した後に、水没の影響で突然電源が切れ起動しなくなることです。
自分で乾燥 | 正規店 | 街の修理屋さん | 機種変更 | |
---|---|---|---|---|
費用 | 0円〜 | 10,800円〜 | 5,000円〜 | 0円〜 |
後遺症のリスク | 高い | なし | あり | なし |
本体のデータ | △ | × | △ | × |
「正規店」と「街の修理屋さん」って何?と思った方も多いと思います。実はiPhone修理店には2つのタイプがあります。その違いを知っておきましょう。
- 正規店:Appleが認定した修理店
- 街の修理屋さん:Appleが認定していない修理店
「正規店」と「街の修理屋さん」の違いは以下の比較表の通りです。
正規店 | 街の修理屋さん | |
---|---|---|
修理方法 | 本体交換 | 洗浄&部品交換 |
データ | × | △ |
補償適用 | ○ | × |
水没の後遺症 | なし | あり |
修理費用 | 11,800円(Apple Care+あり) or 22,800〜60,800円(Apple Care+なし) |
5,000円+部品代 |
店舗例 | Apple Store | ダイワンテレコム アイフォンドクター など |
①【自分で乾燥させる】修理費用を抑えたい方向け
ネット上で「iPhone 水没」と検索すると以下の画像のように、「iPhoneを乾燥剤やお米と一緒にジップロックへ入れて2日間乾かすと良い」と書かれた記事を目にします▼
Twitter上ではこの方法でiPhoneが「直った」という声と「直らなかった」という声の両方の声があったので、直るか直らないかは運次第のようです。
3日間の米漬けから水没iPhoneが見事復帰しました!おめでとう🎉🎉 pic.twitter.com/ews1XQodJg
— ゆべし (@harapeko_y) 2018年2月23日
水没から、やっと取り替えのiphone受け取れた。ジップロックにお米入れて乾かしても直らなかった。大切なのはバックアップとお風呂に持ち込まないことと学びました
— kotokoto (@oto888) 2016年11月3日
「ジップロック」と「乾燥剤」または「お米」が家にあれば、費用は安く収まります。
ただし、修理店の方にこの方法について確認したところ、「分解して洗浄しないとミネラルや水分が内部に残るので、中のパーツがサビてしまう危険性があります」とのことです。なので、一旦iPhoneが復活してもiPhoneが壊れてしまうリスクは高いようです。
街の修理屋さんへiPhoneを持っていけば、iPhoneを分解して内部を洗浄・乾燥してもらえるので水没の後遺症のリスクは減らせます。ただし、ジップロックで2日間乾燥させてから修理店へ行くより、最初から街の修理屋さんへ行った方がiPhoneのパーツが水に触れている時間が短くなりiPhoneの復旧する可能性は高くなるようです。「iPhoneのデータが消えると困る」という方はジップロックを試す前に修理店を利用してみましょう。
iPhoneが起動すれば本体のデータが残っていることが多いので、iPhoneが動くうちに早めにデータのバックアップを取っておきましょう。
- 費用:0円〜
- 後遺症のリスク:高い
- データ:端末が起動すれば残っている可能性あり
②【正規店】「補償に加入中」で「バックアップを取っている」方向け
正規店の場合、補償に入っていない場合、モデルごとに金額が変わりますが、全額自己負担での修理となります。「Apple Care+」という補償に入っていれば、「加入料」を支払っておけば、加入から2年間で最大2回まで「11,800円」の自己負担でiPhoneを修理できます。または、「携帯キャリア会社が提供する補償」に入っていた場合も修理代の一部が補償されます。
Apple Care+がない時とある時のiPhoneの修理代は以下の通りです。()内の金額はApple Care+の加入料です。
【水没の修理代】 | Apple Care+なし | AppleCare+あり |
---|---|---|
iPhone X | 60,800円 | 11,800円 (22,800円) |
iPhone 8 Plus | 43,800円 | 11,800円 (16,800円) |
iPhone 8 | 38,800円 | 11,800円 (14,800円) |
iPhone 7 Plus | 38,800円 | 11,800円 (16,800円) |
iPhone 7 | 35,800円 | 11,800円 (14,800円) |
iPhone 6s Plus | 36,800円 | 11,800円 (16,800円) |
iPhone 6s | 33,800円 | 11,800円 (14,800円) |
iPhone 6 Plus | 36,800円 | 11,800円 (16,800円) |
iPhone 6 | 33,800円 | 11,800円 (14,800円) |
iPhone SE,5s,5c,5 | 30,800円 | 11,800円 (12,800円) |
正規店でiPhoneを修理すると、iPhoneの本体を交換する修理になり、本体の写真や電話番号やメールアドレスなどのデータが消えるので注意が必要です。ただし、本体を交換するので、水没した端末とは別の端末を使うことになるため、水没の後遺症のリスクはありません。
よって、正規店での修理がオススメなのは「補償に入っている」かつ「データのバックアップを取っている」方です。
- 費用:11,800円(Apple Care+あり) or 22,800〜60,800円(Apple Care+なし)
- 後遺症のリスク:なし
- データ:バックアップがなければ失う
③【街の修理屋さん】「バックアップを取っていない」方向け
街の修理屋さんの場合、補償を使うことはできません。しかし、「5,000円の洗浄代+部品代」でiPhoneを修理できるので、壊れている部品が少なければ正規店より安く修理できます。部品を交換する場合は事前に「〇〇の部品が壊れているようなので、交換しますが、□□円かかります」とお店が連絡をしてくれます。
端末を交換しない修理方法なので本体のデータが消えずに残る可能性があります。なので、「バックアップを取っていなかった」という方は街の修理屋さんを利用するのがオススメです。
ただし、水没したiPhoneが復活する可能性はお店によって変わります。同じiPhoneでも「うちでは1割くらいしか復活しない」「うちでは8割は復活する」というようにお店によって復旧率に差が出ます。復旧率に差が出る理由は、部品の交換をせずに「洗浄と乾燥」だけを行なっているお店があるからです。修理を依頼する前に電話で「そちらのお店では水没したiPhoneはどのくらいの確率で復活しますか?」と確認しておきましょう。
もし、修理をしてもiPhoneが直らなかった時はバックアップを取ることはできませんので、データは失われてしまいます。
iPhoneが直らなかった時の修理代は、「作業料の5,000円だけ支払う」というお店が多いです。中には「復旧しなかったら、料金は頂きません」という成果報酬型のお店もあります。成果報酬型かどうかはお店のHPの水没修理の料金案内ページで確認できます。
なお、iPhoneが復活しても一度水没したiPhoneには水没の後遺症で故障するリスクが残ります。iPhoneは精密機械なので、水没していないiPhoneと比べると一度水没したiPhoneは故障のリスクを抱えた端末になるようです。
- 費用:5,000円〜
- 後遺症のリスク:あり
- データ:メモリーが無事なら残る
水没したiPhoneの街の修理屋さんでの修理の様子はこちらの記事でまとめています。
「iPhone6が水没!渋谷駅近くの修理店に持ち込んで修理してきた!」
【機種変更】iPhoneを契約してから月日が経っている方向け
iPhoneの修理を諦めて新しいiPhoneへ機種変更するという手もあります。
「iPhoneを契約してからもうすぐ2年が経つ」「iPhoneを契約してから2年以上が経っている」という方は機種変更をしても良いでしょう。
しかし、iPhoneを契約してから2年以内に機種変更をすると、iPhoneの本体代金の残債を支払う必要があります。
水没したiPhoneとは別のiPhoneが手に入るので、後遺症のリスクもありません。ただし、新しいiPhoneへデータを引き続く場合、水没したiPhoneのバックアップを取っている必要があります。
- 費用:0円〜
- 後遺症のリスク:なし
- データ:バックアップがなければ失う
防水機能があるiPhone7以降のモデルでも水没するリスクはある
「最近のiPhoneは防水機能があるから水没はしないんじゃないの?」と思うかも知れません。
確かにiPhone7以降のモデルには防水機能があります。しかし、iPhone7以降のモデルでも防水機能が劣化して水没するリスクはあります。万が一、iPhoneが水没した場合、補償に入っていない限り全額自己負担での修理となります。Appleの公式サイトでも以下のように紹介されています。
防沫・耐水・防塵性能は永久的に持続するものではありません。通常の使用状態でも耐性が損なわれる場合があります。水濡れによる損傷は、保証の対象外となります。iPhone 7 以降の防沫・耐水・防塵性能について
さらに、iPhone7以降は起動時に本体のパーツのチェックします。そのため、液晶は大丈夫でも他のパーツが水没の影響で異常な信号を出しているとそれを感知して、iPhoneが起動しなくなることがあるそうです。
iPhoneの水没原因ランキング
街の修理屋さんによるとiPhoneの水没の原因として多いのは以下のものだそうです。
- 【1位】トイレ
- 【2位】風呂場
- 【3位】キッチン
- 【夏限定】プール・海
- 【冬限定】加湿器・結露
家庭内の水周りでiPhoneを水没させてしまうことが多いようですね。
夏は水着のポケットにiPhoneを入れた状態で泳いで水没させてしまう方もいるようです。
意外だったのは、冬場iPhoneを加湿器のそばに置いてしまい加湿器の水分で水没した方もいたそうです。また寒い場所から急に暖かい場所に移動したことで、iPhoneの内部に水分が結露して水没する場合もあるようです。
なお、街の修理屋さんに水没したiPhoneを持ち込む男女比率はほぼ50対50だそうです。
自分にあった選択肢を選びましょう
iPhoneを水没させてしまった時の選択肢はこの記事で紹介した4つだけです。自分の費用と相談しながら、選択肢を選んでみて下さい。
水没はiPhoneのトラブルの中でも特に厄介なものです。iPhoneが復活したら、次回からはiPhoneを水没させないように水気のある場所で、iPhoneを使うのは避けましょう。
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